八十八夜は明日ですが、ひと足早い茶摘みです。
3年以上放置されていた茶畑の再利用を始めたのが昨年のこと。昨秋に剪定をして、なんとか茶畑らしい風景になってきました。
一芯二葉という摘み方で手摘みし、蒸して、乾かして、手で茶葉を揉みこみ、摘みたての香りと味を引き出していく「手揉み製法」をやってみました。
茶を淹れるのに時を費やすのが干す、乾燥させる工程です。ゆっくり時間をとれるときは自然乾燥させるのですが、今日はレンジで乾かします。
そこへお隣の元茶農家さんが塾のハウスを通りかかり、俄かにお茶教室となりました(笑)
「どないして製茶すんのや?」との問いに「レンジで乾かして手揉みします」と言うと、
「へえ?そんなんで茶になるんかいな」と心配そうに見つめられながら(笑)いつものように作業していると…
「まだまだ乾かさあかん」「揉みが足らん」と指示が飛んできました(^^;
「茶いうのは、なぶり倒しておいしなるんやから」とのことです。
「まだ茶工場があった頃はみんな、ヒイヒイ言いながら蒸したての熱い葉を揉んで揉んでしてたんやで」と、当時の様子を語りながら、教えてくれました。
やはりプロ、妥協は許されません(;'∀') わたしたちもヒイヒイ、ハアハア言いながら、ひたすら揉みました。
1時間ほど揉み作業をしたところでOKが出ました!
「さて、新茶の味が出るかなあ?」とまだ心配そうな師匠(笑) 60度の湯で茶葉を湿らせ、小さな湯呑に少しずつ注ぐ淹れかたも、私たちがやってきたのと全然違います。
このあたりの農家さんが客に出す茶の淹れ方だそうですが、煎茶の基本なんだそうです。
まずは師匠が味を確認。
「ええ茶ができたわ。きちんと新茶の味が出てる」と言われ、ほっとしました!
品のある渋みと爽やかな香りは、今まで飲んでいた茶とはまったく別物。驚きの味です。
偶然、塾のハウスの主が遺していった茶器も見つかり、茶に導かれているような気分に。
これから本格的な茶摘みシーズン、豊かなお茶生活が楽しめそうです。